休日の僕たち(樹side)

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朝のニュースやスポーツ番組を見ながら、花のトーストにマーガリンを塗って手渡し、自分のトーストにも塗る。 今日はどこに行こうか。花と出かけるなんて、初めてだから嬉しい。学校帰りに遊ぶ事はあっても、休みの日は俺もバイトが入っていたり…二人でゆっくり出かけるなんてなかなかできない。せっかくだから…遠出したい。花はどっか行きたい場所あるのかな……。 『花……今日、行きたいとこある?』 『……え、うーん…あ、』 何かを思い付いたように花が、俺を見つめて赤くなる。……いちいち照れんなよ。 めちゃめちゃ俺の事意識してる、ね。嬉しいけど、超絶可愛いけど…なんだか俺も恥ずかしくなるじゃん。 『……花いちいち赤くなんないでよ』 『な、ってないよッ…も、そゆこと言わないで』 『………タコ花』 『ッ…ガキか』 あーもう。あーもう。押し倒してイイ? 悶々としてしまう…。 『す』 『す?』 え……? 『水族館……行きたい』 思わずプッと吹き出してしまった。照れるから……どんなとこに行きたいの?って思ったけど。水族館……て。ひとりで悶絶して黙っていると、花が心配そうに俺を見つめる。 『あ、ダメだったら全然、別の場所で』 『楽しみだよ……水族館』 俺は優しく花に微笑み…肩を引き寄せながら軽く口付けた。花の顔が今まで以上に赤くなってくる。俺はクスッと笑い 『タコ?』 『も…ッ…うるさい』 俺の肩を押しながら…花が食器の片付けを始めた。俺はしばらく笑いが止まらなかった。 着替えを持ってきてない花に服を貸してあげ、身支度を整える。花には俺の服は少し大きいみたいだけど。可愛いから黙っておこう……。
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