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ポチャンと天井の滴が湯船のお湯に落ちた。
「──ふぅ」
「……」
これもいつもの恒例であるセックス後のお風呂の時間。私は源治さんに背中を預けてゆったりとお湯に浸かっている。
「あぁ……極楽だ」
「…ねぇ、源治さん」
「ん」
「源治さんって…いつから私のことを好きだったんですか?」
「!」
その瞬間、バシャンと大きな水音が響いた。
(明らかに動揺している)
「な、何を、突然」
「だって…よく考えたらそこら辺のことって訊いていなかったなと思って」
背中を源治さんに預けたまま私は続ける。面と向かっては訊けないことを、今のこの状態なら訊ける気がしたのだ。
「そ、そんなこと……忘れた」
「忘れたの?!」
思わず後ろを振り返って源治さんの顔を見る。
「見るな!」
其処には真っ赤になっている源治さんがいた。
「……源治さん…逆上せたんですか?」
「~~~っ、そうだ」
「あっ」
私の体を少し避けて湯船から立ち上がった源治さんはそのまま浴室を出て行ってしまった。
(えぇ、逆上せたって…入ってからまだ3分も経っていないよ?!)
あの赤さは照れ──なんじゃないのだろうか?
私はそのままひとり湯船に浸かって色々考えを張り巡らせた。
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