8人が本棚に入れています
本棚に追加
「おじさん、何で自分を責めるの?……おじさんは、ちゃんとまりあの約束守ってくれたよ!」
幼い少女は、満面の笑みで言ってくれたのである。
「だって、おじさん達二十人いる!まりあ、ちゃんと百まで数を数えられるからわかるよ!おじさん達を入れたら、ちゃんと百人!……おじさん達ももう、まりあの友達。違うの?」
俺ははっとして、今日まで一緒に頑張ってきた風祭達スタッフを見回した。自分たちの、人数。子供が気づくことに、今までどうして気づかなかったのか。
「……おじさん達は、大人だけど。それでもいいのかい?」
俺が尋ねると、少女はうん!と力強く頷いた。
「友達になるのに、男の人も、女の人も、大人も子供もぜんぜんないよ!みんなみんな、まりあの友達!まりあの、百人の友達だよ!!」
滅茶苦茶かもしれないけれど。無理矢理かもしれないけれど。
きっと今、幼い彼女の言葉以上の真実は此処にはないのだろう。
「ま、まりあちゃああん!ありがとおおお!」
心底嬉しそうに、半分泣きながらまりあに抱きつこうとした風祭の尻を蹴飛ばしつつ。俺も、ついついみっともなく涙を流していた。
友達百人できるかな、は綺麗事でも嘘でもなんでもない。
信じて、死ぬ気で努力するなら――どんな理想も、現実として目の前に現れるのだ。目の前の少女が、そう教えてくれたように。
最初のコメントを投稿しよう!