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 而して長足の進歩を遂げ、2ヶ月余りが過ぎ、遂に期末テストの日がやって来た。テスト用紙を前にした石田さんの顔は、頬がこけ、色白になり、体も華奢と言っても過言ではない程、細くなり、全くの別人になっていた。  彼女は数学を集中的に勉強していたので他の科目は今までより出来なかったが、数学はもう完璧と言って良い程、出来た。だから数学のテストの時の彼女は生気がみなぎり、意気揚々としていて傍から見て、とても魅力的に輝いていた。殊に鉛筆を持つ繊手の動きは可憐でさえあった。
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