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「大事にしてるものっていったら、クマ以外ないでしょ。言いがかりはやめて欲しいな。カイって最低!」
バレたあとにしらばっくれても無駄なんだよ、見苦しい。
「オレが目障りならユリウスを経由しないで、直接仕掛けてこい。その勇気がないなら手を出すんじゃねえ」
リセのあごを掴んで上を向かせた。
「な、なに……っ」
「今度悪さしたら自慢のお綺麗な顔を、二度と見られねぇようにしてやるからな」
ぐっと歯がみしたリセが、悔しそうに眉根を寄せ、恨みがましくうなった。
「ぼくにも優しくしてくれたっていいんじゃない、お兄ちゃん」
寒気がした。
「誰が貴様の兄だ。可愛げのないやつは嫌いだ」
言い捨て、部屋を出た。
ほんっとムカつく。リセと半分同じ血が流れてるかと思うと虫唾が走る。
「あらカイ様、お久しぶりね」
エレベーター待ちしてると、ちょうど通りかかった側室の第一妃にばったり出くわした。
菜の花色のドレスを着てる。リセに似た、そこそこ綺麗めの女だ。性格の悪さは致命的。
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