第1話 カームシティの魔法術師

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「どこでそれを聞いた?」  眼光するどく目の前のLSHロボットを見つめる。アポイントもとらずいきなり訪ねてきて何事かと興味をそそられて部屋に入れたが、応対したのはまずかったかもしれないと警戒した。  魔法術は人々から不気味な存在として偏見をもたれている。テクノロジーが進めば進むほど差別の度合いはひどくなった。だからこんな辺境の惑星のスラム都市に身を潜めるように居を構えているのだ。 「どこで聞いたかといえば、いろいろと答えるしかないが……そうだな……不確かなウワサと言えばいいのかな。おれにとっちゃ、そんなことはどうでもいいのだが」  ふん、と親方は鼻を鳴らす。 「もし、わしが魔法術師だとして、だったらどうだというんだ?」
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