第1話 カームシティの魔法術師

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「本当に魔法術師なのか!」  アルンの声が弾んだ。その様子から、魔法術師を求めてほうぼう探し回っているようだと知れた。 (だったらこっちが主導権をとれそうだ)  親方は内心ほくそ笑む。うまくすれば一儲けできそうだ。 「頼みを聞いてほしい」 「頼み……ロボットの頼みなぞ、聞けると思うのか?」 「カネは払うさ。おれたちLSHロボットは銀行口座を持てないから、マネーカードで払う。MQRクレジットで三百万ある」 「なにっ?」  マネーカードにそれだけの大金をチャージするなど普通ではない。裏世界の匂いがした。  願い事がなにかはまだ聞いていないが、おそらく自分の魔法術ではかなえられないだろうと親方は思い、しかし一方で三百万MQRもの大金は魅力的でどうにか手に入れたいとの欲が膨らんだ。
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