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「本当に魔法術師なのか!」
アルンの声が弾んだ。その様子から、魔法術師を求めてほうぼう探し回っているようだと知れた。
(だったらこっちが主導権をとれそうだ)
親方は内心ほくそ笑む。うまくすれば一儲けできそうだ。
「頼みを聞いてほしい」
「頼み……ロボットの頼みなぞ、聞けると思うのか?」
「カネは払うさ。おれたちLSHロボットは銀行口座を持てないから、マネーカードで払う。MQRクレジットで三百万ある」
「なにっ?」
マネーカードにそれだけの大金をチャージするなど普通ではない。裏世界の匂いがした。
願い事がなにかはまだ聞いていないが、おそらく自分の魔法術ではかなえられないだろうと親方は思い、しかし一方で三百万MQRもの大金は魅力的でどうにか手に入れたいとの欲が膨らんだ。
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