第1話 カームシティの魔法術師

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(ここはひとつ、だまくらかしてそのカネをせしめてやろう)  LSHロボット相手にまともに交渉するやつなどいない──それが世間の風潮だった。 「わかった」  親方は大きくうなずく。 「で、おまえさんの望みを一応確認しておこう」 「おれも念のために確認しておきたい。あんたは本当に魔法術師で、LSHロボットを人間に変えられるんだな?」 「はっ!」  想像していなかったことを聞いて驚いてしまった。思わず声が出てしまい、あわてて口を閉じた。 (LSHロボットを人間にだと? そんなことを望むLSHロボットがいるとはな)  親方はあきれた。いくら魔法術でも、そんなことができるなどとは聞いたこともないし、できるとは思えなかった。
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