第1話 カームシティの魔法術師

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 ロボットだった。労働代行用人型(LSH)ロボット。よくできた人工皮膚の下は軽量合金のメカトロニクスなのである。家事手伝い用として量産された古い型のLSHロボットで、MM‐TZ48という型番がついていた。が、一般的なオーナーなら名前をつけるところ、ここではそれ以外の名は付けられていなかった。  MM‐TZ48は作業台の上をそっとのぞき込んだ。  そこにもLSHロボットがいた。何体もの壊れたロボットから規格の合う部品を集めて一体のLSHロボットが組み立てられているところだった。それはさながらロボットのフランケンシュタインだ。  そう──MM‐TZ48が箱に入れて持ってきた手足がそれに使われる部品なのである。
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