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LSHロボットが単独で社会を生きていくことはできない。必ず人間の保護が要った。オーナーがいなくては活動できないし、世間はLSHロボットにそこまで寛容ではない。ところどころ人工皮膚が破れてみすぼらしくなった中古LSHロボットを使ってくれる人間などどこにいようか──。
故障はいつか突然、訪れる。いつかはわからないが、そんなに遠くない未来だ。実際、MM‐TZ48の左腕は最近調子が悪い。肘の関節がときどき動かなくなって異音もする。ここの部品ももうすでに限界をこえている。他の部品も早晩不具合を起こすだろう。魔法術といえども万能ではないのだ。
料理ができあがった。湯気のたつ皿をトレーに載せ、さきほどの部屋へと持って行こうと通路に出て歩いていると、人の気配を感じた。
(LSHロボットを買いに来たお客様だろうか?)
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