1章1-1

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1章1-1

どちらかと言えば、美人でない。 見るに耐えないブスでもない。 小学生から二十歳まで、ぽっちゃりより太りぎみな体型でモテなかった。 男子からはデブとかブタとか言われて傷つきやすい年頃の頃は何度も悲しい思いをした。 社会人になり、必死に働いていたらあっという間に痩せた。 子供の頃太っていたせいか、体質なのか胸が大きく、お尻もプリっとしてスリムと言うよりムチムチした色気のある体になった。 それまで男性に言い寄られる事がなかったのに取引先の男性から食事に誘われたり、帰りの満員電車で携帯のメール画面に「連絡先教えてください」と打ち込んだ画面を見せられた。 痩せる前に何度か合コンに行ったがいつも外野扱いだったのに、両脇に男性が座りグイグイ口説かれた。 高校からの友人にこう言われたことがある。 「あかりって若干ブスだからちょうどいいんだと思うの。めっちゃ美人だと口説きにくい。」 なるほどねー。 若干ブスのデブだと視界に入れてもらえない。 若干ブスのムチムチなら俺でもいけるかもゾーンに入りモテる。 モテると勘違いしていた。 モテるんじゃなくてヤれる。ということだ。 その事に気がつくのには、ヤり捨てされてから気がついた。 傷心して更にまた痩せた。 その頃、主人と出会い、私の一目惚れでグイグイグイグイ押した。 2年付き合ってそのうちの1年同棲して結婚した。 本当に大好きで、外見も私の好みど真ん中でこんなに好きな人は一生出会えないと思った。 性格の合わない部分もあったし、冷たいなと思うこともあったけど、私のことを大事にしてくれる人。 結婚して10年経った頃「夫婦なんて所詮他人。合わないところムカつくところすべて受け止めて理解しよう」と受け入れた。 その頃位から、私は不倫を始めた。
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