2章1-1

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2章1-1

彼とは別れるでもなく 関係は続けた。 1人目の出会い系の人は 魚の卸しをしている同い年の独身サラリーマン。 昼間にご飯に行こうと決めて出掛けた。 お互いお酒が好きとLINEしていたので、昼間から開いている居酒屋へ行った。 見た目は可もなく不可もなく。 結局ホテルに誘われ、のこのこ着いていった。 「ねぇ。出会い系でホテル来たけど、殺さないでね」と冗談混じりに話した。 心の中でも本当にドキドキした。 初めて会う人といきなりセックスするのことに興奮と緊張と期待で気持ちはそこが最高潮だった。 セックス はあっさり終わり、可もなく不可もなく。 そして、会話も可もなく不可もなく。 つまらなかった。 こんなものか。 もっとなんかこう!ないの?と帰りの電車でもう次なくていいかなーと思っていたら わざわざお礼のLINEが来た。 「あかりちゃんすごく楽しかった。また会ってほしいな」 LINEも可もなく不可もなく。 回数重ねれば会話も楽しくなるかも。 好みも分かるかも。 「またご飯行きましょうね」と返した。 翌週、魚屋から「会いたい」 夜、彼と職場の仲間と飲みに行く約束があったので、断ったが数時間だけ!とごりごりに押してきたので会った。 魚屋と待ち合わせホテルへ向かう途中に「土曜日だからお金下ろせなくて手持ちがない」と。え????どーゆーこと? へぼい男だな。 「ふーん。じゃあ、はい」と5000円渡してみた。 「借りる。次回返すし、何か美味しいものご馳走する」 心のなかで次回はないと思うよ。と呟いた。 この時点で帰らずにホテルへ行く私はなんなのだろうか。 好奇心とくくってみるのが1番近いかもしれない。 セックスが終わり、彼とみんなでの飲み会に遅れそうでさっさと帰ろうとすると 「まだ時間あるからゆっくり話そう」と抱き寄せてきた。 まぁ、会話でもして少しわかり合ってみようかな。 しかし、まったく面白くなかった。 そして、飲み会へ向かった。 彼と職場の仲間との飲み会はとても楽しい。 職場の仲間の前では絶対バレないように私たちはデレは見せない。 私が部下なので、彼に敬語を使う。 そして、解散して彼からLINEが来た。 「チューだけするから、待ってて」 いつもの集合場所。 みんなと反対側のタクシー乗り場。 彼とキスをして帰った。 帰ると主人が風呂に誘ってきた。 風呂に誘うのは夜のお誘い。 私はこの日 昼間に魚屋とセックスをした。 夜に彼とキスをした。 夜中に主人とセックスをした。 なんなのこの生活。 そうだ。誰といつしたか分からなくならないように、生理アプリにメモでちゃんと残そう。 普段、生理アプリをほったらかしにしているのに、真面目な顔で備考欄に 「魚屋 パパ」と残した。
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