4月14日

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「だが……未だに尻尾の一つも捕まえちゃいない。何せ相手が相手だ…。」 「失踪した『偽りの神』…か。何百年か前に天上界の牢獄から脱獄したという…。仏陀様やイエス様からも捉えるように言われているんでしょう?」 「出来るものならそうしたい。だが、奴は偽りの神だ…なんでも偽る。顔も、歳も、妖氣(ようき)でさえも…。見つけるのは勿論、情報を掴むことでさえ難しい……」 ダォォーーン!!……… 彩蝶は俯きながら悔しそうに顔を歪ませ、ピアノの鍵盤を拳で叩いた。 「…でも、この時代にいることは確かなんでしょう?」 「あぁ。アニーも見たでしょう…?あの時空の傷。」 「あぁ…四年前お祖父様が来た時に、時空まで一緒に連れられて見たね。戦国時代からこの時代にかけての時空に傷があった。それもかなりの……『奴の時代を呼ぶ能力によって時空が圧縮された時にできたものだろう』ってお祖父様が言ってたね。今頃、一人で修復しているだろう…。」 「でも、あの傷…グランパが一人で治せるかね?相当よ?」 「仕方がないさ…。時空の修復なんて『時の神』であるお祖父様にしかできない事だ。時間はかかるだろうけどね…。俺たちにできることは、偽りの神を捉えることだよ。」 「偽りの神の目論見は大筋予想はついている。アタシの読みが正しければ…今、奴はアタシを狙っている。」 「だろうね…。そうじゃなきゃ、禁じ手の時代を呼ぶ能力を使ってこの時代まで追って来やしないだろう。……っと、これで良し。」 天箜がヴァイオリンの弦の張替えが終わる頃、彩蝶はすっかり短くなったタバコを灰皿に擦り付けて思い出したように口を開いた。 「最近の調査で、雲母工業から少し離れた場所にあるアパートで不吉な動きがある。」
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