それは突然だった

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6畳の自分の部屋でギターを弾いている時だった。 バン!っと突然ドアが開いて体がビクっとなった。 「理人!」 「・・・ノックくらいしてよ」 俺はイヤホンを外しながら、アンプの電源を落とした。 「ノック何回もしたわよ!それのせいで聞こえないんでしょ」 母はギターを指差した。 父に去年の誕生日に買ってもらった真っ赤なエレキギターで、名前はレッドバロン。俺の宝物だった。 「・・・で?なんか用?」 気だるくて、頭をくしゃくしゃ掻きながら母の顔も見ないで用もないのにスマホを触る。 すると、母から思わぬ事を告げられた。 「お父さんと離婚するから、来週引っ越すわよ」 ・・・・は?!
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