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「理人、起きて!もう着くよ」
母に起こされ、ゆらゆらと起き上がった。
「新幹線降りたら、電車に乗り変えるからね」
「・・・まだ遠いの?」
「うーん、電車で20分くらいかな」
めんどくさ。
早く「家」で寝転びたい。
岡山駅は意外と大きな駅だった。
お土産売り場に並ぶ「きびだんご」の味の種類が多くて目を見張る。
チョコ味、マスカット味、モモ味
あ、これうまそう・・・
試食に手を伸ばしかけた時、
「理人!こっち」
母に呼ばれて引っ込めた。
岡山駅から瀬戸大橋線っていうローカル電車に乗って20分。
電車はさほど混雑してなくて、東京の電車とは全然違う。
悠々と席に座り、流れる景色を見ていた。
始めは住宅街だったのが、だんだん見晴らしの良い田園になっていく。
「・・・まじで田舎じゃん」
そして、着いた先は海っぺりの町だった。
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