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「夢」
幼稚園の魔術師別エンディングより。
「ポケモンバトルを2024年のオリンピック種目にしたい?」
編集者のおもちは、本乃の企画に目を丸くした。
「ポケモンではなく、エブモンね。お絵かきしたものが、画面の中でいきいきと動き回るんよ。プレイヤーの音声入力で特技を披露して対戦するプレイスタイル」
「本乃くんが旅行した広島県三次市のもののけミュージアムのアクティビティに、ゲームセンターのお絵かき型ゲームがヒントになったようです」
浅果は本乃のアイディアに補足説明をする。
「専用のゲーム台を作らなければならないな」
「その必要はないよもっちゃん。スマートフォンでフォトったイラストから、AIが特徴を分けるようにすればええんよ」
本乃の説明によると、四足歩行タイプのエブモンはプレイヤーが乗れ、機動性に優れるほか、背中の面積を大きく書けば、最大四人が乗れる。羽根のついたポケモンは、空が飛べる。など形状によって能力が異なる。という。
「なるほど、しかしプレイヤーが同じエブモンを四年間使い続けるとは考えにくいな。それについてはどうするんだ?」
「進化させるんよ。例えば鉄砲魚って魚がおるとするよね」
本乃は企画書の裏に鉄砲魚を描いた。
「この鉄砲魚は、口の形を長くすればスナイパーライフルのように射程が伸びる。口の形を大きく書けば、マグナムのような威力に上げることも出来る。ほか目や頭の形を大きくすれば、ホーミング性能のついた水鉄砲が射てるようになる」
「思い付きかと思ったが、そうじゃないようだ」
「本乃くん夫妻ににぼく、かずさんに荒木さん、ユイさん、Alchoneさんたちでエブモンを作ってテストプレイしています」
浅果はYouTubeで録画した対戦の様子を再生する。
かずが作成したサルタイプのエブモン、アカジリと本乃が作成したシカタイプのエブモンシシカバブーがオリンピック会場のようなフィールドで対戦しているようだ。プレイする本乃とかずの、広島弁と山口弁の音声が飛び交っている。
素早さに優れたアカジリがサル分身の術で、機敏に本乃を乗せてフィールドを駆け回るシシカバブーを包囲した。
「これは相手の体力を零にしたら勝ちなのかな?」
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