七夕

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「企」  本乃の脳内プロットについて。  「まずは、ツクッタモンスターにどんなのがおるか。四タイプに分けて紹介する」  本乃は紙に四種類の動物を描いた。 ・ピンク色の毛をした二足歩行の犬とサルを足したようなツクルモン「モグワン」本来の毛色は茶色と白だが、ヒロインがインスタ映えのためにピンク色にした。ヒロインは動物アレルギーがあるが、モグワンだけはアレルギー発症しなかったので大事にしている。 ・満月を見ると戦闘能力があがるネコ「オオカミネコ」ヒロインの友人宅はペット禁止だが、両親に隠れてこっそり変われている。 ・ペッパ。学名は2Dフロッグ、英名はピパピパという平面ガエル。進化すると3Dリザードから4Dドラゴンになると言われている。飼い主のプレイヤーは七十五歳の高齢者なのでアナログで作られており、その姿は本人以外見たものはいない。 ・マオツオトン。背油に火を点けて外敵から身を守る黒豚。逃げ回ったマオツオトンは背油が燃え尽きるため、余計な脂肪分がなくなり、旨い豚肉になると言われており、密猟者に狙われている。しりに火が点く諺はこのツクルモンから産まれた。  「最後は兎も角、豊富なラインナップだね」  浅果は本乃のイラストを見てそう言った。  「日本のゲームにネコは外せんのんよね」  「ネコが外せない?」  「モンスターハンターって男の子向きのゲームなんよ。女性プレイヤーが多いのは、メラルーとアイルー、それからブタの功績がデカイと思う。ポケモンはネコとネズミじゃけどね」  「本来のメインは、トカゲと植物と、亀だったんだよね」  「植物? フシギダネは植物が生えたカエルじゃなかったん?」  本乃はフシギダネをカエルだと思っていた。 植物がメインならその下の生き物は何なのか。蝸牛は殻と身を別々にすると蛞蝓になるような興味が沸いて来る。蝸牛と蛞蝓の違いは殻の有無なら、フシギダネとそうでないポケモンの違いは一体何になるのか。  「ヒロインたちがすることは、紀元前から脈々と受け継がれていた歴史も作りたい」
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