第一話

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何の能力もない人間。いや、それどころか良くないことをするかもしれない人間が消えてくれるのは好ましいのだ。 こんな話、誰にも話せない。いかれていると思われるのは嫌だ。 けれど、これが俺の価値観だ。どうしようもないくらい、俺は能力のある人間に期待をしてしまう。そして能力のある人間のためなら、能力のない人間が犠牲になっても構わないと思っている。 だから、能力ある人間がいじめをするくらい、許せるようにならなければならない。例えそのいじめの対象が俺自身でも。 俺には、何もないのだから。
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