第一話

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☆ ホームルームが終わり、席を立つ生徒たち。これから熊谷はバドミントン部に、荒木は自動車部に行くのだろう。 俺は自宅に帰宅するだけだ。本当に、俺には何もない。 下駄箱の前で靴を履き替えていると、女子二人組の会話が聞こえた。二宮とよく一緒にいる女子だ。名前は覚えてないが、顔はよく見る。 「ねえ、そろそろ現夢(うつつゆめ)の日じゃない?」 「そっか。もうじき現夢か。どんな夢を見るんだろう」 「なんか緊張してきた」 「緊張って、まだ早いでしょ」 笑い合う二人をちらりと見る。現夢。なんだそれ。
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