第二話

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「現夢?」 昼休み。二宮が、女子二人と弁当を食べている際、そう言ったのが聞こえた。俺は昼食を食べ終え、ケータイをいじっていた。 熊谷や荒木はいない。一人だ。安心するが、少し退屈だ。 「え。彩華、知らないの?」 「遅れてる~」 と女子の片方がからかう。短髪の女子だ。 「それで、現夢ってなに?」 二宮に訊ねられ、長髪の方の女子が説明した。 「現夢っていうのは、百年に一度起こると言われている正夢だよ。雑誌に載っていた情報で、学生ならほとんど知っている話だよ」 「へえ」 へえ。正夢ねえ。 「寝る部屋に鏡が無いと現夢は見られないとされているらしいよ。彩華も見ようよ」
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