第二話

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「それでいいの?」 不思議そうに二宮が訊ねる。短髪の女子は頬杖をつきながら答える。 「だってまだ学生だし。それに、付き合いたい人と結婚したい人の理想は違う、とかよく言うじゃない?」 「つまり今は遊びの関係を求めていらっしゃるわけだ」 「ちょっと、言い方ー」 三人が笑う。和やかで、ちょっと羨ましい。 「で、二人はいないの、好きな人?」 「話の脈略が唐突」 長髪の女子がツッコみを入れるが、短髪の女子は気にせずに訊ねた。 「いいじゃん。恋バナしようよ! 彩華は好きな人とか、気になる人はいないの?」 短髪の女子の言葉を聞き、俺はいつの間にか三人の方を直視していた。そのことにすぐに気づき、慌ててケータイを見つめる。 「ええ。いないよ?」
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