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「「本当かなー」」
「本当だよー」
いないのか。ほっとしたと同時に、そんな自分に腹が立った。何の努力もしていないくせに、何をやきもきしているんだ。
一年の頃、俺は二宮彩華に好意を持っていた。
成績も良く、表彰もされ、人当たりも良い。顔も好みだった。
けれど、自分はこんなんだ。努力は嫌いだし、いじめられている。一人でケータイをいじっているだけの日々。万が一、付き合えたとして、それでもし二宮までいじめの対象になるのは嫌だった。
まあ、きっとこれは言い訳なのだろう。単に拒絶されることが恐いのだ。
別にいいさ、と気持ちを切り替える。二宮が誰と付き合おうが、俺には関係ないし、どうしようもない。勝手に幸せになってくれれば、それでいい。
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