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☆
がばっ、と跳ね起きる。夢、か。気づけば汗をかいていた。
「はあ、はあ……。変な夢だったな」
昔の記憶が夢として現れることは、そう珍しい話じゃない。でも未来の夢なんて、あまり見ないものだ。
それにしても、荒木と二宮が犯罪者になっている夢だなんて。笑えない。
そのとき視界に、手鏡が映る。鏡……。
「まさか。今のが現夢?」
現実になると噂の夢――現夢。
「いや。まさかな」
馬鹿馬鹿しい。そんなわけあるものか。
けれど、もし、もしも今見た夢が本当に起こることだとしたら。
一体、俺は何のために犠牲になっていたのだろう。
「……シャワーでも浴びるか」
立ち上がり、俺は部屋の電気を消した。
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