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「二宮彩華(あやか)」
「はい」
今度は二宮が呼ばれた。二宮は読書感想文のコンクールで表彰されるらしい。二宮はいわゆる優等生だから、賞を獲得するのは今回に限った話ではないが。
校長から賞状を受け取った二宮が荒木の隣に並ぶ。
その後、他にも生徒の名前が呼ばれた。計六名の生徒がステージに立つ。
先生に拍手を促され、俺たちステージの下にいる生徒は、拍手をした。
荒木と二宮を見て、俺は思った。ああ。これが上に立つ人間なんだと。そして俺は決してそれには成れないのだと。改めて思った。
そう。俺は下の人間なのだ。
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