家族教

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ここは某警察署の取調室。一週間前に母親を殺した容疑でこの男は逮捕された。家族は父・母・姉の4人家族だったが、息子は母を殺害し、姉は父を殺害し、母は姉を殺害するという異様な事件だった。しかし唯一の生き残りである息子の口から出る数々の証言は殺人自体よりも異様なものであった。 「最初は父でした」 男はゆっくりと噛み砕くような口調で話す。 「公務員で仕事一筋だった父が、仕事上のミスで閑職に追いやられ、母とも離婚し、すがったものが、神だったのです。当時、まだ子供だった私と姉は父に連れられて集会場によく行ったものです」 取調べの刑事が口を挟む 「その頃に今の母親と知り合ったんだな」 男はチラリと刑事の顔を見て、 「そうです。母は私達よりも早くに入信していました。まだ会のことがよく判らなかった私達を何くれとなく面倒をみてくれた母を父は好きになったのだと思います。」 「父と再婚した母は私達兄弟を実の子供の様に可愛がってくれました」
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