三毛と権兵衛の出逢い

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「吾輩は猫に化けた仙人じゃ。人間にも見上げた者がおらんかと探し回っておったのじゃが、遂に探し当てることが出来た。それはお前じゃ!何たって、お前は親孝行な上に吾輩を見捨てずに可愛がり続けてくれたのじゃからな。」  呆気に取られて既に立ち止まっていた権兵衛に三毛は近づいて行って言葉を継いだ。 「そこでじゃ、大変、世話になった御礼も兼ねて褒美を取らせることにした。今晩、あの柳の木の根元を掘ってみよ。今じゃないぞ、今晩じゃぞ、然すれば、お前は必ずや宝物にありつけるであろう。」
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