三毛と権兵衛の出逢い

1/6
9人が本棚に入れています
本棚に追加
/86ページ

三毛と権兵衛の出逢い

 時は江戸時代、年号を文化といった頃、神出鬼没の三毛猫が日本に住んでおった。  この三毛猫、ネズミ退治が得意で人間の前でネズミを捕って見せては、その腕を見込まれて鼠算式にネズミが増えて困っておる家で飼われることになるのじゃが、ネズミがいなくなると、何処の家でも捨てられてしまうのじゃった。  要するに今と違って何処の家も貧しくて猫なぞ飼う余裕はないからじゃった。  だからと言って用が済めば、何の未練もなく弊履の如く捨てるというのは薄情には違いなかった。
/86ページ

最初のコメントを投稿しよう!