三毛と権兵衛の再会

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三毛と権兵衛の再会

 それから数か月が過ぎた或る日のこと、見上げた人物を見つけ出せないもんじゃから権兵衛に会いたくなった三毛は、権兵衛の屋敷へ行って四ツ目垣の隙間から中へ入ってみると、庭の何処も彼処もがらんとしておって閑散としておって森閑と静まり返り、人気が全く感じられない。そこで三毛は、縁側へ行って障子が開け放たれた座敷を覗いてみると、果たして権兵衛がおったが、ぽつんと寂しそうに座布団に座って庭を虚ろな目で眺めておった。  これは只事ではないと思った三毛は、軒下へ行き、砌にぴょんと飛び乗って一声にゃおと鳴いてみた。
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