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第八章 初体験
なんだか変だな──と思った。
「ご馳走様でした」
「はい、ご馳走様でした」
いつも自分が過ごしている家の中に好きな人がいるという違和感。
「そういえば仏様のご飯はどうするの?」
「あ、そうだ下げちゃわないと」
「俺、下げるよ」
「ありがとう」
忍は居間の隅に置いてある父の仏壇に供えてあったご飯を取り、ごく自然に食べてしまった。
「あ」
「えっ、何」
「ご飯、食べちゃった」
「あ、ダメだった?俺、じいちゃん家に行った時いつも仏様のご飯食べてて」
「ううん、ダメって訳じゃないよ?ただ…美味しくないでしょう?冷めたご飯って」
「なんで?おにぎりとかだって冷めてるじゃん。関係ないけど」
「…そっか」
(忍ってなんか不思議)
それは自宅に着いてからずっと思っていた。
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