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「?!」
「……」
「し、忍?どうしたの」
「もう…限界」
「え」
「湯上りのちとせ見たら…堪らなくなった」
「!」
そういうと忍は私を抱えたまま部屋のベッドまで行き其処に優しく私を下ろした。忍が私に跨った時、ベッドが小さく軋んだ。何故かその音がとても卑猥な音に聞こえてしまい一気に気持ちは甘ったるいものになった。
「……」
「……」
私も忍も無言だった。
(こ、こういう時って…私の方から何かリアクションするものなの?)
初めてのことでどうしたらいいのか分からなかった。
本当に……どうしたらいいのか分からず、でも自然と私の手は忍の腕にそっと添えられた。
「…ちとせ…いい?」
「……うん」
恥ずかしさから躊躇いがちに呟いてしまった。だけどそんな私の様子を気に留めること無く忍の唇がフッと私の頬に掠った。
「ぁっ…」
「…ちとせ」
チュッと耳朶を甘噛みされた。その瞬間、体中に電流が走ったようなゾクゾクする快感が駆け巡りフルッと体が震えた。
「可愛い…ちとせ…ちとせの全部、俺に頂戴?」
「…うん、忍に…もらって欲しい」
「……」
細められた忍の瞳がとても優しげで私はその艶やかな表情にとろんと惚けてしまった。
──何も考えなくていいんだ
体が自然とそういう風に動くようになっていたんだって、その時になって私は初めて知ったのだった。
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