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「ちょ、た、武流くん？！どうしたの、何処に行くのっ」
「……」
武流くんは無言で私を誘導した。そしてドンッと背中を押され倒された処は武流くんの部屋のベッドの上だった。
「っ！」
「……いい加減鈍いね、ちぃは」
「た、武流くん？」
体を起こそうとするもすぐに武流くんに覆い被されそれは叶わなかった。
「僕がいった『好き』とちぃが考える『好き』は同じじゃない」
「ど、どういう」
「僕は女としてちぃが好きだっていったんだよ」
「！」
そういった武流くんの唇が私の唇に押し当てられた。
（？！）
あまりに突然のことで頭が真っ白になった。
「──こうやってキスしたいってずっと思っていた」
「……」
軽いキスの合間に紡がれる武流くんの言葉。
「初めて逢った時から僕はちぃを独り占めしたと思っていた」
「……」
「僕だけのちぃで…他の誰にも触られたくなかった」
「……」
「ちぃだけが僕のたったひとりの最愛の女の子だった」
「……」
「ずっと…ずっとこうして奪いたいと思っていた」
「！」
何度目かの啄ばむキスから舌を入れられる深いものになった。
「んっ、ん」
「ふぅ…っ」
武流くんの舌が私の歯列、舌、あらゆる処をねっとりと擦る。
「ん、んっ！」
絡まる舌は絶妙な痺れを私にもたらす。
（嘘…嘘、嘘……武流くんが…私のことを…？）
濃厚なキスを受けながら頭と耳にこびりついているのは武流くんの告白。そんなことを武流くんが思っていただなんて全然知らなくて……私は次々に与えられる真実に身も心も震えた。
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