第十二章 始まりの一日

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昨日黙って武流くんの家から抜け出してからなんの連絡も出来なかった。あんなことがあって私自身、武流くんに対して本当の自分の気持ちを知るまで武流くんに逢って話すということが出来なかったから。 一夜明けて、自分自身の本当の気持ちが整理出来た時、その気持ちを直接武流くんに告げたいと思った。武流くんが私に気持ちをぶつけたように私も武流くんに私の気持ちをぶつけたいと思ったのだ。 「ほら、着いたよ。冴ちゃんも待っている」 「あ」 サムさんの行きつけのお店だというブティックの前に冴ちゃんが立っているのが見えた。 「オレと冴ちゃんとでちぃちゃんを可愛くしてあげるからね♪」 「~~~」 親友とその彼氏に着せ替え人形にされる覚悟を決め私は車から降りた。
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