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第十三章 暴走する恋心
プラネタリウム館内に入りチケットを購入した。
「13時半からの回でいいよね」
「…うん」
私から武流くんに話し掛ける形で会話がぽつりぽつりと続いた。
ドーム内に入り隣同士の座席に座り、私はパンフレットに目を通した。
「投影プログラム…【赤い星・青い星】だって」
「星は表面温度によって色が変わるんだよ。その色と明るさから今その星が一生のうちのどのくらいにいるかが分かるらしいよ」
「凄い、詳しいね」
「プラネタリウムのHPに説明が載っていたよ。それで」
「そっか、ホームページね」
「今どんなのやっているかなって気になって」
「よく来るの?プラネタリウム」
「たまに。昔から好きだったから気が向いた時には」
「…ひとりで?」
「え」
「……」
少し会話らしい感じになって来たところで私はそっと背中を椅子に押し倒した。プラネタリウムの座席らしく少し後ろに傾くようになっている。
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