第三章 始まる恋
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第三章 始まる恋

昔から大抵の困った事は笑っていれば上手く解決出来ると信じていた。 実際解決した事が多かったから其れは今でも信じて疑わないでいた。 ──なのに 「何ヘラヘラ笑ってんの?」 「ってか馬鹿にしてんじゃね?」 「なんか…ムカつく」 「……」 (笑ってもダメな時はある…の?) ついそう考えてしまう様な状況が今現在起こっている。 職員室に呼ばれていた冴ちゃんと一緒に帰ろうと教室で待っていると、いきなり3年生が三人、私の元にやって来た。 話があるから体育館裏まで付き合えと云われた瞬間厭な予感がしたけれど… 「笑ってないでちゃんと答えなさいよ」 「今宮くんとどういう関係だってーの」 「彼女でもない癖にやけに王子の周りをチョロチョロしてるの癇に障るんだよ」 (予感、当たりまくり) 3年生にとっては卒業間近でここぞとばかりに恋愛関係の事で動きがあるのだろう。 こうやって呼び出しをくらった事はもう何度もあったけれど、其の度に笑って『武流くんは幼馴染みで、親友の冴ちゃんと付き合っているので私には関係ありません』と云えば大抵見逃してくれていた。 「だ、だから先刻から云っているように、武流くんとは幼馴染みで、武流くんは冴ちゃんと付き合っているんです」 「其処まで解っていてなんで今宮くんの周りに居る訳?」 「立場弁えてないの?チョロチョロするって事で生まれる誤解ってあるんだけどぉ」 「あんたの存在、結構目障りなんだよ?大して可愛くないくせしてなんであのふたりにちやほやされてんのさ!」 (う゛う゛~か、可愛くないって事は本人が重々承知していますよ~~) よく解らない因縁をつけられどうやってこの状況を切り抜ければいいのか──と焦っていると 「こんな処で何してんですか」 「「「!」」」 (えっ) いきなり聞こえた低い声に其の場にいた全員が驚いた。