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だからこの炎は罪の、贖罪の炎なのだ。それを受け入れて俺は死んでいく。罪だと言うのなら俺を裁いてくれ。俺を焼き払ってくれ。出ないとこの世界でこれから生きていくにはどうしようもないのだから。頭に電子音がピコーンと鳴る頭に声が響いた。
『こんにちわ。目が覚めたとき、あなたはこの会話を覚えていません。ですが必要最低限の知識は持ち合わせていることにしましょう。終わった世界ではないと言うことを示してください。ただそれだけです。ではお元気で』
その音声はそこで途切れると星空だった景色が物凄い勢いで遠ざかっていく。意識が引っ張られ目の前が真っ暗になった。そして、ゆっくりと目を覚ます。目を刺すような光が視界を覆う。あまりにも眩しくて右手で目を覆った。
「う、、、」
言葉がうまくでない。喉を久しぶりに使った感覚。そんな感覚は基本的に味わうことはない。だんだんと視界がクリアになってくる。視界から得られる情報はここが何処かの廃墟であるということ。自分がベッドの上に寝かされていたこと。そして病院服を着ていること。頭を抑え状況を整理する。今新しい記憶は家にいたことだ。夜。宿題もほどほどに寝ようとベッドに座った。そしてふと窓を見たとき、空が昼間のように明るくなったと思ったら耳をつんざく轟音。目を開けていられないほどのフラッシュバン。そして意識を失った。体が思うように動かない。30分ほど悶えてようやく上半身を起こすまでになる。ゆっく〜りと体が痛みで悲鳴をあげつつもベッドから立ち上がることができた。首を動かすという細部な動きはまだできないため足を動かして部屋全体を見渡す。右に左に体を動かしてボロボロになった部屋を見た。何もない。家具も机も何もない。窓もガラスは割れて割れたガラスさえもなかった。
「……」
出口の方へ歩いていく。窓から見える外の景色は普通の景色に見えた。
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