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中に入ると岩肌が見える空洞があった。ランタンを持ち周りを照らしながらしばらく進むと二手に分かれている道がある。オーティムはそこで立ち止まった。
「ここでいいか。話が終わったらお前は左の道を行け。あいつらに遭遇しない場所へと出られる。あとは自力で生き抜くんだ。いいか?」
「君はどうすんだよ!1人じゃあいつらに殺されちまう!」
「それは私がか?それともお前がか?いらぬ心配だ。私はお前よりも長くこの世界で戦ってきた。そしてお前もこれから戦わなくてはならない。一人で生き抜けぬならばここで死んだほうがマシだ。と、言ったところで私は実はあまり時間がなくてな。お前を助けたのは偶然だから勘違いはするなよ?さて、極力お前の疑問を解消してやる。聞きたいことがあるなら簡潔にまとめろ」
オーティムは手早く述べるとカロに反論させる暇を与えない。一人で生きていけなければ確かにこの世界は生き抜けないのかもしれない。だがそんなのいきなり言われてもやはりまだ受け入れられない。世界自体は何事も無いかのように回っているのだ。何を聞けばいい?聞きたいことがありすぎてうまくまとめられない。それを察したのかオーティムは独りでに話し出した。
「この世界は5年前までお前の知っている世界だった。それはある日突然現れたんだ。先程出くわした機械仕掛けの化け物。私たちは浮遊する機械としてエア・マキナ、『エキナ』と呼んでいる。エキナは私たち人間のみを狙いほかの動植物は襲わない。私たちはエキナから逃げるように力ある者達の傘下に入っている。そうすることによって弱者は死ぬことはないからな。だが世の中には物好きがいてな。科学の発達というのは希望なのか絶望なのか、エキナに対抗するための力を生み出した。それがオープンキーと呼ばれる鍵だ。誰もがそれを持てるわけでは無いがエキナを倒す手段の1つになっている。手に入れる機会があれば確実に手にするといい」
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