妹探し 下

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* 「おい、神楽、どこに行くんだ」 夏休み明け早々の学校で、俺は神楽の背を追いかけていた。 神楽が俺について来いと言ったからだ。なのに、その本人はそれ以上何も言わずに、俺を何処かへと連れて行く。 「おい、神楽」 「……」 「…おい、何も言わないならついて行かないぞ」 「…やれやれ」 やれやれと言いたいのはこっちだっつの。 神楽は階段を上がりながら言う。 「とある人物に呼び出されたのさ。拓美ではなく、オレがね」 「は?それって…お前のことを知ってる人物なのか?」 それは誰だ?拓美の体の中に存在する幸尋のことをきちんと知っているのは、今のところ俺とリーダーしかいないはず。 やがて屋上の扉の前にまで来てしまい、神楽は躊躇うことなく開けた。 びゅうっと風が吹く。 「拓美から何も聞いてない?」 「…?」 俺を見た神楽が妖しい笑みを浮かべる。 俺と神楽は屋上に出た。 そこには、すでに誰かがいた。 フェンスの近くに、学ラン姿の男子生徒が背を向けて立っていた。 男子生徒が振り返る。 黒髪に眼鏡をかけた、小綺麗な顔をした少年だ。 男子生徒はにこりと笑顔を浮かべる。 その視線は神楽の方をじっと見つめていた。 「呼び出してしまってすみません。あれ、友達ですか?まぁいいか、彼も写真部の部員ですよね」
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