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―昼放課・屋上庭園―
「〈白いワンピースを着た幽霊〉!?嫌嫌嫌嫌嫌ー!何何何何超無理なんですけどー!」
三樹は新太から今話題になっている噂の全貌を全て聞かされたが、幽霊というワードが耳に入った時点で完璧に怖いよスイッチ的なものが入ってしまった。
しかし、同じ場所にいた蓮は全く逆の反応を示し、復学した二菜はヘッドホンで音楽を聴きながら適当な相づちをうった。
「ねぇ…にーな、どうしてそんな反応ができるのよぉー!」
「…うるさい。」「ごめんなさい」
「オレたちで調べたいってなら協力してやらんでもないんだけどよぉ…女が二人もいてさらに調査対象も女の幽霊と来た…いまいち気乗りしないな。」
「二菜、一回真剣に答えてくれ。」
「…治りたて、悪化させたくないから行かない。」
「あっれぇ~…さっき『へぇ』とか『ふーん』とか言ってたじゃん!」
新太はこうして完全に孤立した。というかそもそも二菜はクール一面があるので、よっぽどのことがない限りは動こうとはしなかった。
「だーっ、いいよ!オレ一人で何とかするから!」
新太は痺れを切らしたというよりか、はじめから分かっていたような感じでこう言い、庭園を後にした。
「アイツ…自分から『平和になったー!』とか言ってたくせに、すぐ悪を見つけて潰しにかかるんだから…」
「なんか四野くんにすごく似てるかも!」
「似てねぇわ、バカかテメェは!」
「喧嘩しない。」
とりあえず、この時点でこの四人は完璧に纏りがなかった(纏りの概念そのものがないといった方がより確実)
―放課後・例の場所―
自治体の人たちはあれから回収したライブギアを全て持ち主の元へ返し、これによってまたたくさんのプレイヤーがゲームを楽しんでいた。
新太はライブギアを起動させてとりあえず辺りを見渡してみた。しかし、例の幽霊少女はどこにも見当たらなかった。
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