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08 Four Animals、始動!
桜の花が完璧に散って、緑の葉っぱがところ狭しと出てきたこの頃…オレはあることに悩まされていた。
今って春なの?夏なの?どっちなの?
この学校の制服の衣替え期間は非常に遅く、非常に短い。毎年六月にようやく夏服登校が解禁され、六月末には完全移行という風な感じだ。
そこでオレは今指導部に抗議したいのは〈年々今だけ暑くなって来てるのになぜ夏服移行期間がこんなに遅いのか〉ということだ。
五月も半ばに入ったっていうのになんだこの暑さは(現在の臨海市の気温・28.5℃)!
女子はまだスカートのぶん、足に風を受けて多少は涼しいかもしれないけど、男のオレは学ラン+長ズボン、極めつけにどちらも黒!
だから、風来てもこれっぽっちも涼しくないし、日光吸収してただでさえ暑いのにそれが加速するんだって!
おまけにうちの学校の最も理不尽なことは教室より職員室、保健室の方が冷暖房のかかりが早いってことだ。まだ保健室は目をつぶれるけど、なんで先生たちが涼めてオレらは後回しなんだよ!
オレがグレたくなるのはそういうとこだよ!
といいながら、新太は昨日約束した屋上庭園に向かっていた。
―屋上庭園―
屋上庭園には足が痛いと仮病を使って部活をサボり出してる三樹といつもの通り見た目の可愛さをヘッドホンで全開にぶち壊してる二菜がいた。
「あっ、一ノ瀬くんおはよう!」
「お…おはよ…運動部はさすがだね…ははっ」
「わわっ、大丈夫、一ノ瀬くん!」
「…新太は大丈夫。ただ、暑さにやられてると思う…」
「あれ、蓮は?もしかして部活?」
バン!
「んなわけあるかぁ!オレだってそこのバカと同じく仮病作戦決行してここに来たんだよ!」
運動部はすごいわ…仮病使えるから。オレみたいな未所属人間はそういうの使えないんだよなぁ。
新太たち四人はライブギアのスイッチをつけて例の少女を呼んでみた。
『昨日のみんなだ…あれ、私を助けてくれた男の子が倒れてる。』
「…もうしばらくすれば治るから、気にしなくていいと思う。」
相っ変わらず辛辣っすわ…二菜さん。暑さにやられてる人にその言葉はきついよ。
「この四人でチーム組むとしてもゲーム内でチーム活動するなら、運営にチーム名と人数を申請しないといけないの。」
「はぁ?マジで言ってる、それ。」
「ほっ、ホントよ!お父さんが言ってたもの!」
「チーム名…何がいいだろう?」
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