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09 再戦、ブローク
―地下研究室跡―
『これはどういうことかなぁ、01。なんか思ってたよりも早く起こされたんだけど。』
『まぁそう言うなよ、03。これもゲームの演出なんだよ、きっと。』
「おお、起きたか、03。キミのギアなら既に完成しているよ。何より01と違い、キミは最初から肉体が存在しているからね。では、頼んだよ。」
マスターは03に彼専用のライブギアを渡した。専用とはいっても、カラーリングが黒一色であること以外は大差ない。
『とんだスピード狂に出会えるのが楽しみだなぁ…』
―臨海中学2-E教室―
「新太、そう言えばさ…最近『ARライブズ!』でブロークが復活したらしいぞ。」
蓮のいきなりの衝撃発言に新太は飲んでいたお茶を豪快に吹いた。
「ブロークって、この間オレが倒し損ねたレイドボスじゃないか!それで、そいつはどこに…がっ!」
新太は隣の席に座っていた二菜に脛を蹴られた。どうやらいつもみたいに音楽を聴いていたところを邪魔されたらしい。
「痛って…なにするんだよ二菜!いきなり蹴るなんて酷いじゃないか!」
「新太がうるさいのが悪い…人の趣味の邪魔しないで。」
「そりゃ悪かった…ごめん。」
「場所は臨海中央公園の時計オブジェだってよ…こっからだとわりと遠いな。まぁ、放課後なんもやることないお前ら二人なら大丈b…がはっ!」
新太に続き、蓮も二菜のストレートパンチが腹部にクリーンヒットした。今度は部活に入ってないことをバカにされたのが嫌だったらしい。
「二菜、テメ覚えてろよ…」
蓮はあまりにもストレートパンチが効いたのか、腹部を押さえて机に突っ伏した。
「朝からにーなは怖いねぇ…」
「…放課後に臨海中央公園時計オブジェね、了解。」
何だかんだで二菜は今回のレイドバトルに参加することにした。
「ううっ、俺トイレ行ってくるわ…腹痛てぇわ…」
蓮は腰が酷く曲がったおじいさんのような様子でトイレの方に向かっていった。
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