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12 Masterの仮面の下
―その後―
新太は03との戦いで体力を激しく消耗してしまい、その場に倒れ込んでしまっていた。
普段ならば彼はこうなったとしてもすぐ起き上がったが、今回ばかりは足に宿ったスキルとコートのスキルを限界まで酷使した結果、再起不能の表示が出るほどのダメージを負っていた。
「新太…ゆっくり休め。レイドボスは片付けた。後は俺らに任せてろ。」
蓮は呼び掛けたが、もちろん新太は気を失っているので返答などなかった。
「変ね…レイドボスも03っていうのもやっつけたのに、フィールドバリアが開いたままなんて。」
『何か来る…』
〈Change,Free Battle Phase〉
バリアの色が赤色に変わった。そう、このゲームに実装されている『フリーバトルモード』が起動したのだ。
そして、仮面をつけた黒ずくめの男プレイヤーらしき人物がフィールド内に入ってきた。
『やぁ、Four Animalsのみなさん。はじめまして、私は神矢…このゲームを生み出した者、そして…このゲームのマスターである!』
「へっ、神に等しいとまで言われるアンタが何でひょっこり出てくんだ?演出とはいえぶっ飛んでんなぁ。」
「何か私たちに用…?」
『えぇ…ゲームマスターとしてキミたちを裁きに来た。私が生み出したこのゲームの圧倒的な力…レイドボスをいとも簡単に倒してしまうようなチームなどいては困るので。』
『おい、アンタ…話が違げぇだろ!なんでオレが倒されたあとになって出てく』
03が文句を言いかけたところでマスターは彼の胸ぐらを力任せにつかんだ。
『私は確かにキミにこのゲームの管理を任せた。だがそれは…私自身の…ライブギアの完成までの時間稼ぎに過ぎなかったのさぁ!』
『なっ…オレが…アンタの時間稼ぎの道具だと…』
次の瞬間、マスターは03に強烈なキックを食らわせ、フィールドバリアに強く叩きつけた。
フィールドバリアが赤い電撃を発し、03はその痛みに呻き声を上げ、膝をついた。
しかも、結構電撃が強かったのか03の息はかなり上がっていた。
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