1人の片思い

18/18
45人が本棚に入れています
本棚に追加
/36ページ
なおも混乱している私に、会長はニヤニヤしながら問いかける。 「エンジェルはさ、タッキーが好きでしょ?あ、もちろん恋愛的な意味で♪」 カァーっと顔に熱が集中する。 両手でほっぺたを隠しながらコクリと頷く。 「…でも、瀧先輩は私のこと好きじゃないと思います…。」 店内BGMに消え入るような私の声。 でもそうじゃなかったら、視線が合わなくなる、なんて起こらないはず。 すると、ガバッと会長が抱きついてきた。 「-これでタッキーが好きじゃなかったら、私がぶん殴る!!」 「賛成。今度こそあの腑抜けを殴ってやりましょ。」 「…え?え?」 お2人とも、なんか話が物騒になってませんか?私がキョロキョロとしていると、 「…ほんっと、じれったいなー!わかったエンジェル、会長に任せなさい!…んで、今度の日曜は空いてる!?」 会長が胸をドンっと叩いて、確認という名の威圧をしてきた。 「空いてます…。」 「-そんじゃ、いっちょサッカー部の試合観戦に行こうか!」 「…え、でも、」 他校生の私が行っても迷惑なんじゃ…? 「うちの応援ゆるいから大丈夫よ。タッキーの勇姿、見たくない?それから優子ちゃんの想いも、伝えてみたらどうかしら?強制はしないけれど。」 「…私は、」 私は、ちゃんと先輩に想いを伝えた? 見てるだけじゃなくて、ちゃんと言わなくちゃ。 まだ、この恋が終わってないなら、いや、まだ終わらせたくない! 今度は後悔したくない! 「-行きます。」 -今度こそは、ちゃんと想いも伝えよう。 瀧先輩に、会いたい。
/36ページ

最初のコメントを投稿しよう!