もう1人の片思い

2/13
45人が本棚に入れています
本棚に追加
/36ページ
「白川 優子です、よろしくお願いします!」 初めて会ったのは、俺が副会長に就任したばかり、生徒会役員の面接だった。 小さな体で一生懸命に喋る姿。 きっとあまり前に出るタイプじゃないんだろうけど、顔を真っ赤にして、ちょっと泣きそうになりながら志望動機を話している。 -なんていうか、 「-めっちゃタイプ?」 「うわっ!」 会長が横からコソッと耳打ちしてきた。 いつもこんなことしてくるんだよな、 「…今の子、タッキーのタイプど真ん中だよねー。かわいいし、華奢だし、一生懸命だし。…よし、入れよう!」 「…おい、」 俺をいじってそんなに楽しいか? 「賛成。」 華蓮も! 「そうだなー、あだ名はタッキーの天使だから…"エンジェル"かな!」 「それはやめろ。」 それから1年間、悪ノリ好きな会長は本当にエンジェルと呼び続けた。 呼ぶ度に会長が顔を赤くする俺を見てニヤニヤしていたのは、この3人しか知らない。
/36ページ

最初のコメントを投稿しよう!