もう1人の片思い

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あれから少し経って、夏休みに突入した。 朝から練習試合の準備を進めていた。 久々の練習試合なので、そわそわする気持ちを落ち着けつつ、ウォーミングアップをこなす。 強烈な日差しが降り注ぐ中、ピッチに立つ。 ふと、応援席に視線を向けた。 そこには忘れたくても忘れられない、()がいた。 「-え?」 両隣の会長と華蓮と談笑しているのが、ここからでも見てとれた。 少し大人っぽくなって、かわいいな…。じゃなくて! 動揺を抑え込むためか、無意識に口元に手をあてていた。 「瀧先輩?大丈夫ですか?」 心配そうな顔を向けてきたのは井上。 「…大丈夫だ。」と答える俺をニヤニヤしながら見ていたやつがいる。 「さては…圭、お前か!?」 「…ちょっ、やめろって!俺じゃねえよ!俺だって華蓮から聞いたのは昨日だし!」 「あいつらか…!!」 ゴゴゴゴッという効果音がつきそうな表情(井上談)で会長と華蓮の2人を見る。 そうすると自然に白川さんも視界に入る訳で、勢いが削がれたのか(井上談)途端に2人に背を向けた。 圭がニヤニヤしながら俺の肩に腕を回した。 「かっこ悪いとこなんて、見せらんないよなぁ?」 「…うるさい。」 馴れ馴れしく置かれた腕をペッペッと払いのけた。
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