45人が本棚に入れています
本棚に追加
あれから少し経って、夏休みに突入した。
朝から練習試合の準備を進めていた。
久々の練習試合なので、そわそわする気持ちを落ち着けつつ、ウォーミングアップをこなす。
強烈な日差しが降り注ぐ中、ピッチに立つ。
ふと、応援席に視線を向けた。
そこには忘れたくても忘れられない、娘がいた。
「-え?」
両隣の会長と華蓮と談笑しているのが、ここからでも見てとれた。
少し大人っぽくなって、かわいいな…。じゃなくて!
動揺を抑え込むためか、無意識に口元に手をあてていた。
「瀧先輩?大丈夫ですか?」
心配そうな顔を向けてきたのは井上。
「…大丈夫だ。」と答える俺をニヤニヤしながら見ていたやつがいる。
「さては…圭、お前か!?」
「…ちょっ、やめろって!俺じゃねえよ!俺だって華蓮から聞いたのは昨日だし!」
「あいつらか…!!」
ゴゴゴゴッという効果音がつきそうな表情(井上談)で会長と華蓮の2人を見る。
そうすると自然に白川さんも視界に入る訳で、勢いが削がれたのか(井上談)途端に2人に背を向けた。
圭がニヤニヤしながら俺の肩に腕を回した。
「かっこ悪いとこなんて、見せらんないよなぁ?」
「…うるさい。」
馴れ馴れしく置かれた腕をペッペッと払いのけた。
最初のコメントを投稿しよう!