1.睦月【千景】

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 そのまま、黙って弓と矢を元にあった場所に戻すと同時にその場を立ち去ろうとする千景の腕を、ふいに横から伸びてきた桐原の手が掴んで引きとめようとする。とっさにその手を思いきり振り払うと、千景は、おのれの行動に驚いたように目を瞠る桐原に矢を解き放つがごとくはっきりと引導を渡した。 「──それこそ、あなたにはまったく関係のない話です」
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