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誕生会の再開
「だ、ダメだよ、みんな」
全てを思い出した私は、小声で高志君に言った。
「ええっ、どうして?」
みんなの視線が私に向けられる。
「鬼さんが怖くないってバレちゃったら、悪い大人がもっと悪くなるって、赤鬼さんが言ってたでしょ」
私が小声でそう言うと、みんなそのまま口を閉ざしながら着席した。
そう。私達があの場所を離れる直前、赤鬼さんは確かにそう言った。だから、百歳になってもし思い出しても、決して人には言わないで欲しいと。
「先生ごめんなさい。続けて下さい」
私は大きくお辞儀してから着席した。
「え、ええ」
先生は、なんだったのと小声でつぶやきながら、お芝居を再開した。
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