1st-trap:縁は異なもの味なもの

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でもいい。 もうお遊びだっていい。 ひよりはこれが自分を満足させるための父の陰謀だったとしても、それでもよかった。 欲しかった、ずっと『自由』が。 「では、ひより様。 私はこれで」 「待って、下まで送るわ」 深々とお辞儀をして部屋を出ていこうとする牧のそばに走りよると、牧は困ったように苦笑した後、 「ありがとうございます」 と言って、部屋のドアを音もたてずにゆっくりと開いた。
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