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「すみません……」
「いや、いいけど。
てか、おまえ、あれなの?
すげーお嬢様的な?」
「あ、……あの、木之瀬の家の……」
「あ~~、有名な会社の!
へー、名前は聞いたことあるわ、
すっげぇな」
「あ……」
言わない方がよかったかな。
後から思い直す。
そういえば、牧があまり自分の素性は話さない方が良いと言っていた気がする。
「あ、あの……。
ごめんなさい、やっぱり忘れてもらって…」
「いや、無理だろ。
聞いちゃったし。
っていうか、こんな高級マンションに住んでる時点で、なんかあるだろうなって思うだろ普通に」
「あ、そっか……」
「あーーー、お前、お嬢様だなーーー。
なんかもうこの会話だけでわかるわ。
箱入りって感じ」
「……ごめんなさい」
なんか、さっきからこの人失礼だな。
謝りながらもなんとなくイライラしてひよりは、小さくため息をついた。
どうしよう。
早く着かないかな、15階。
牧とのってきた時よりずっとずっと長く感じる。
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