1st-trap:縁は異なもの味なもの

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「すみません……」 「いや、いいけど。 てか、おまえ、あれなの? すげーお嬢様的な?」 「あ、……あの、木之瀬の家の……」 「あ~~、有名な会社の! へー、名前は聞いたことあるわ、 すっげぇな」 「あ……」 言わない方がよかったかな。 後から思い直す。 そういえば、牧があまり自分の素性は話さない方が良いと言っていた気がする。 「あ、あの……。 ごめんなさい、やっぱり忘れてもらって…」 「いや、無理だろ。 聞いちゃったし。 っていうか、こんな高級マンションに住んでる時点で、なんかあるだろうなって思うだろ普通に」 「あ、そっか……」 「あーーー、お前、お嬢様だなーーー。 なんかもうこの会話だけでわかるわ。 箱入りって感じ」 「……ごめんなさい」 なんか、さっきからこの人失礼だな。 謝りながらもなんとなくイライラしてひよりは、小さくため息をついた。 どうしよう。 早く着かないかな、15階。 牧とのってきた時よりずっとずっと長く感じる。
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