1st-trap:縁は異なもの味なもの

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「で? ひよこは何号室なわけ?」 「1512です」 「隣じゃねぇか。 俺1511」 「え、ウソ!」 「なんだよ、その嫌そうな顔は。 ひよこのくせに」 「い、いひゃい、いひゃい!」 ぐいぐい、と頬を引っ張られて、この人のパーソナルスペースどうなってんだと思いながらも、ひよりは自分の頬をつかむ腕を引きはがす。 あ、骨ばった手だな……。 一瞬そう思って、なんだか恥ずかしくなってきた。 そういえば、私、牧やお父様以外の男の人の腕触ったの初めて……。 「顔赤くなってけど、どした? 男に免疫ないとか?」 「……っ!」 見透かされている! 覗き込んでニヤニヤ笑ってくる尚の視線に耐えられなくて、ひよりはバッと顔をそむけた。 それでも尚は動じた様子もなく、「おーついたー」と部屋を指さしている。 あーー、私だけ振り回されてる。 なんだか、マンションの下から帰ってきただけなのに疲れた。
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