1st-trap:縁は異なもの味なもの

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「おい、ひよこ」 「ひよりです!」 「はいはい。 まぁ、お嬢様、新生活一日目ということで」 「……はい」 「おめでと。 まー、せいぜい頑張れよ。 手助けはしねぇけど」 「わかってます!」 「はいはい、ひよこひよこ」 「ひよりです!!」」 「はいはい」 ニィ、と笑ってできた笑窪がずるい人だ。 なんだか、私の方がバカみたいじゃないか。 でもよかった。 お隣さん、知らない人じゃなくって。 あれ? でも私、新生活一日目なんて言ったっけ? それとも様子見てわかったのかな? なんだか少し不思議なお隣さん。 ひよりより先に部屋の中に吸い込まれて行って、バタンと閉じたそのドアをひよりは眺めた。 まーいっか。 縁は異なもの味なもの。 とか、言うし。
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